* 第1回:八ヶ岳パイ工房さん

第一回トピックスは、八ヶ岳南麓の大泉の森で、パイを製造販売している「八ヶ岳パイ工房」さんを特集いたします。実はパイが苦手だったインタビューアのNPO法人理事長も、ここ八ヶ岳パイ工房さんのパイは美味しく戴けるのですが、いよいよ秋たけなわとなり始めた10月の上旬に、オーナーの三井龍史さんにいろいろお話を伺いました。


八ヶ岳パイ工房外観
林に囲まれた八ヶ岳パイ工房さん

八ヶ岳高原のこの地でパイ作りを始めた理由は、どんなことですか?


八ヶ岳高原の標高1000m付近は、湿気と気温が、パイ生地を作るのに最適なんです。パイ生地は気温に影響を受けやすいので、ここは夏でもクーラーがいらないところですし、冬の寒さは対応の仕方があるので、パイ生地作りには最適の場所なんです。


八ヶ岳パイ工房さん実演、タルトタタン
八ヶ岳パイ工房さん実演、タルトタタン

この八ヶ岳高原の1000m付近が良いという話は、お蕎麦やパンなどでも聞きます。パイも、そうなんですね。


適した風土でも、パイ作りで苦心されることはお有りでしょう?


そうですね...トッピングするフルーツの発掘に苦心しますね。季節に応じたフルーツで、しかも良い品質のものを探すのが、苦労と言えば苦労ですけど、最近は洋梨なども地元産の良いものが出てきたので、楽しみですよ。


女性に人気、洋梨のパイ
女性に人気、洋梨のパイ。地産地消にもこだわりが

ここ山梨県は、フルーツ王国として有名な処。生産高日本一を誇るぶどうや桃だけではなく、近年では、イチゴやさくらんぼ、ブルーベリーなどの生産も盛んです。八ヶ岳パイ工房さんのパイにはいろんなフルーツがトッピングされていて嬉しいです。地元 北杜市産の農家のフルーツを使うなど、地産地消にもこだわっておいでのようです。そこで伺ってみました。


八ヶ岳パイ工房さんパイの特長の一つに、トッピングのフルーツの種類が豊富だということがありますが、今考案中のフルーツパイはありますか?


はい、いろいろ考えています。なんとか、四季折々のパイ、たとえば冬のイチゴのミルフィーユをはじめ、春にはさくらんぼのパイ・秋にはサツマイモやパンプキンのパイなど、一年中いろんなパイがたべられるようにしたいと思っています。


タルトタタンを作る三井龍史さん
タルトタタンを作る三井龍史さん

さすがフルーツ王国山梨でパイ作りをされているオーナーらしい、楽しみな答えが返ってきました。


その豊富な種類のパイで、コンスタントに売れ行きのいい 人気商品と言いますと?


やはり、その季節季節ならではの 旬のパイが人気ですね。ちょうど今は、タルトタタンとか、マロンパイなどが時期になりますが、やはりこの季節にはそうした季節物が人気あります。


やっぱり旬の食べ物にこだわる方は多いようです。尤もこだわりと言うより、自然な食欲かもしれませんが。


焼きを入れたタルトタタンにシュガーをかける
一度焼きを入れたタルトタタンにシュガーをかける

その種類が豊富だという八ヶ岳パイ工房さんのパイの特色は?


アップルパイなど、2000円のものは、普通はリンゴ2個程度使うんですが、うちでは6個使っています。そういうふうにフルーツをふんだんに使う点が、特色でしょうか。


これは納得です。アップルパイに限らず、イチゴのミルフューユでも、マロンパイでも、贅沢なほどフルーツが使われています。トッピングというレベルではないのです。ただ、良質なフルーツをこれだけ贅沢に用いたのでは、利益が出るのか心配になります。チェリーパイ・ピーチパイなども、1個(喫茶店カットで3人分)で400円です。


ん〜。。でも、料金は格安ですよね。儲けは出るんですか? 一般的な相場は幾らぐらいですか? また昨今は物価高騰で生産者・消費者ともに苦しんでいますが、値上げはなさらないんですか?


料金は、一般的には相場の2分の1程度以下でしょうね。正直言って儲けは薄利ですが、その分、たくさんのお客様にパイの美味しさを楽しんで戴ければと思っています。値上げも、正直 今は苦しいですし、赤字でやるわけにはいかないですけど、なんとか頑張れるところまで頑張ってみようと思っています。ひとりでも多くのお客様にパイの美味しさを気軽に楽しんでいただければと思っています。


お話してくださる龍史さん
お話してくださるオーナー龍史さん

この良質なフルーツ・この大きさ・この味でしたら、気軽に注文できますし、食べれば大満足でしょうし。となると、観光客にとっては、東京や名古屋など自宅に戻っても、時々思い出しては食をそそられることもあるでしょう。実際、宅配便で取り寄せたいという方も多いようです。


ところで、通販について伺いたいのですが、なぜ アップルパイだけなのですか?


店売りの小サイズの物は箱の問題やそれに伴ってフルーツが崩れてしまうリスクもあって難しいんです。商品となれば、99個大丈夫でも1個でも崩れたら困りますし。ただ、確かに お店でフルーツパイを召し上がって気に入っていただき、東京に帰ってから、送ってくれないかという要望はよくいただくんです。そこで、2000円の大サイズなら 箱崩れのリスクもほとんどありませんので、実際にご要望にお応えしています。


な、なんと。ではオプションで、要相談という形で、対応も可能ということ?


はい。万が一には、形が崩れることもあるということを了承していただけるのなら、可能です。まあ、実際には殆ど大丈夫ですけど、商売となると、例外は許されませんので、そのへんは、お客様とご相談させていただければと思います。


これは、八ヶ岳パイ工房ファンには嬉しい情報です。自宅に居ながらにして、八ヶ岳の高原の薫りが口の中いっぱいに広がる美味しいフルーツパイが食べられるとは。あくまでお客様を大事にし、かつ商品のクオリティを大切にする八ヶ岳パイ工房のオーナー・三井 龍史さんですが、その経営姿勢にも一本筋が通っています。


地元農園産のブルーベリーパイ
長い間好評のブルーベリーパイ。こちらも地元農園産!

パイ工房経営の上で、何かポリシーをお持ちですか?


この高原は、夏場のシーズンと冬場のオフシーズンの売上げに大きな差が出ます。そこで、営利主義に走れば、夏場にアルバイトさんを雇うなどして売れるだけ作る、そして冬場は冬眠状態にする、という手もあると思うのですが、それをすると勘や感覚が鈍るんです。ピアニストでも毎日ピアノに触っていないと勘や感覚が狂うと言いますが、パイ作りもそういう意味では同じです。そうなると、品質が一定しないことになりますから、当店では、一年中品質の良いパイを食べていただきたいので、製造量を安定させるように配慮しています。


なるほど、営利主義に走らない姿勢は、八ヶ岳パイ工房というお店のステータスになりますね。


出張販売もそうした経営方針の上で必須なのですね?


ええ。そうなんです。出張販売によって、夏場の製造量の上限が安定したレベルで決められますからね。また、出張販売は、今は東京圏と名古屋圏が中心なんですが、有り難いことに 名古屋のデパートで購入された方が、旅行で八ヶ岳高原にいらした時に わざわざお店に立ち寄ってくださるんですよ。そういう宣伝広告の意味も出張販売にはありますね。


この言葉を伺って、ホームページ上に出張販売の期間と場所を公表していただくよう、お願いしておきました。お近くに八ヶ岳パイ工房が出店した際には、ぜひお立ち寄りくださいね。


最後に、欧米のようにパイ作りを家庭で楽しむ方に、プロからアドバイスを伺いました。


家庭でのパイ作り、上手に作るコツを教えていただけませんか?


パイ作りは手間がかかり、1日かけて作ることもしばしば。そうして苦労して作っても、焼いても生地が途中で切れたり、膨らまないといった失敗をみなさん体験されます。せっかくあれほど手間をかけたのにと、ショックでしばらくパイ作りから遠ざかってしまいがちです。でも、本当は、3日間は続けて作ることをお勧めします。それも全く同じパイを3日間続けるんです。そうすると、たとえ失敗しても、コツのようなものが分かり始めます。プロは毎日数を作らなければなりませんが、家庭では1個を丹念にあれやこれや試しながら作れますし、商品ではないので何でもありですから、コツが分かり始めると、パイ作りの楽しさを実感できるようになりますよ。


これは目から鱗ですね。失敗してもめげずに続けて同じ物にトライする。そのほうが、記憶が鮮明で試行錯誤ではなく、理由あっての分析ができて、効果的なんですね。パイ作りを楽しんでほしいという三井オーナーの親切で実践的なアドバイス、嬉しいじゃないですか。 そうして家庭でのパイ作りを楽しみながら、時に、本場・本職の、奥の深いスキルを駆使して作った八ヶ岳パイ工房のパイを、宅配で取り寄せて戴く。これがまた家庭でのパイ作りのお勉強にもなるというものですね。

八ヶ岳パイ工房 三井龍史さん、本日はお忙しいところありがとうございました。



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2008.10.08 Wednesday * 14:46 | 八ヶ岳/お店 | comments(2) | trackbacks(0)
Comment
美味しいパイには、やはり作る人のこだわりがあるのですね。フルーツ大好きな私にとっては、非常に興味深く読ませていただきました。
これからもいろんな新商品が出てくるのが楽しみです。
| JUN | 2008/10/09 1:05 AM |
JUNさま

とくに秋は、パンプキンやスイートポテトなど、パイによく合う収穫物も多いですし、たのしみですよね。
一年を通してその時季の果物とあわせて、食べてみたいです。
ありがとうございました。
| Rei@八ヶ岳高原 | 2008/11/29 2:52 PM |









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